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【BCPの基本⑤】総務が強くなると、会社が強くなる

会議テーブルで3人が株価グラフや棒グラフの資料を見ながらペンで書き込み、ノートPCとスマホが置かれている。

前回は、形骸化したBCPを動かすために総務が担うべき「5つのステップ」について解説しました。

経営との対話から始まり、現場との橋渡し、情報整理、初動対応、そして訓練の改善へと積み上げていく。これが実務の軸となります。

 

今回は、総務が良かれと思って陥りがちな「落とし穴」と、総務が役割を果たすことで会社がどう変わるのか、その本質を整理します。



総務が「絶対にやってはいけない」3つのNG行動

BCPを前に進めようと責任感を持つがあまり、総務がやってしまいがちな失敗があります。

以下の3つは、BCPを「形だけ」にしてしまう典型的な落とし穴です。

 

❌重要事業を勝手に決める

❌総務だけでBCPをつくる

❌災害対策だけで終わらせる

 

これらをやってしまうと、総務がすべての「責任を負う立場」になってしまいます。

本来、どの事業を優先するかを決めるのは「経営」の役割であり、業務のディテールを持っているのは「現場(事業部門)」です。

総務が1人で抱え込んで計画書を作っても、現場は動きません。総務はあくまで全体を巻き込む「まとめ役(ハブ)」に徹することが重要です。



総務は、事業を止めないための「安全装置」

総務がハブとしての役割を全うし、正しいステップを踏むと、会社は劇的に強くなります。

そのような組織では、前回の【BCPの基本④】でご紹介した「総務が担うべき5つのステップ」がそれぞれ機能することで、次のような好循環が生まれます。


1. 判断材料が揃うため、経営判断が早くなる

2. 方針が明確だから、事業部門が迷わず動ける

3. 情報のハブがあるため、必要なデータがすぐに集まる

4. 初動が早くなり、被害を最小限に抑えられる

5. 改善が繰り返され、組織の対応力がアップデートされ続ける


総務が担う5つのステップと好循環を示す図。左に「経営との対話の準備」から「訓練の企画と改善」までの5段、右に対応する効果が矢印で並ぶ。

総務はいわば、有事の際にも事業を止めないための「安全装置」なのです。



日常の基盤が強い会社へ

総務が強い会社は、たんに「災害に強い」だけではありません。

会社全体を横断して調整する能力、情報を集約して整理する能力が平時から発揮されるため、日常の意思決定も圧倒的に早くなります。

経営の視点から見ても、総務が落ち着いて、ハブとして機能している会社は、組織の基盤が安定しており、業績も着実に伸びていく傾向にあります。

 

「総務が強いということは、会社が強いということ」

 

もし、あなたの会社のBCPが「災害対策止まり」で止まっているのなら、それを事業継続の仕組みへと進化させ、前に進められるのは総務だけです。



次回予告

これまで、BCPの基本的な「考え方」や「総務の役割」を整理してきました。

次回からは、BCPを「実務として前に進めるためのステップ」に入っていきます。総務が「災害対策」から「事業継続」へ進むための実務を体系的に学んでいきましょう。

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