【BCPの基本④】災害対策止まりを打破する「総務の5つの役割」
- アールシーソリューション株式会社
- 1 日前
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前回は、BCPが思うように進まない背景にある、経営・現場・総務の「視点のズレ」について整理しました。
今回は、そのズレを解消し、形骸化した「災害対策止まりのBCP」を本当の意味で動かしていくために、総務が担うべき具体的な5つの役割について解説します。
なぜ多くのBCPは「回らない仕組み」になるのか
せっかく計画を作っても、実際には機能しない「回らない仕組み」になってしまうのには、明確な原因があります。主な原因は、以下の5つに集約されます。
経営との対話が不足している
事業部門との議論が進まない
情報が整理されていない
災害対策と事業継続がつながっていない
訓練が形骸化している
これらが積み重なると、BCPはただの「書類」として棚に眠ることになってしまいます。
総務の本当の役割は、会社のBCPを「被害を減らすための災害対策」から「事業を止めないための事業継続」へと橋渡しをすることです。
そのためには、この5つの原因をクリアする「5つのステップ」を、正しい順番で土台から積み上げていく必要があります。
総務が担うべき5つのステップ

このステップで何より重要なのは、「順番に進めること」です。
例えば、よくある失敗として、いきなり「情報の収集・整理」から始めてしまうケースがあります。しかし、上層部や現場との握りができていない状態で情報を集めようとしても、必ず途中で行き詰まります。
まずは土台を固め、そこから実践へと確実に繋げていく。その具体的な中身がこちらです。
① 経営との対話の準備
総務の役割の1つ目は、経営陣がジャッジを下すための「お膳立て」をすることです。
BCPの判断材料を整理し、重要事業の優先順位のたたき台を提示して、経営が「決めやすい状態」を作ります。
総務が「経営の視点」を理解していると、組織全体の意思決定が圧倒的に早くなります。
② 事業部門との橋渡し
2つ目は、経営と現場の間に立つ「通訳」としての役割です。
経営の視点(方針)を事業部門にわかりやすく伝え、重要事業の議論を現場と進めます。特定の事業に偏らない、中立な立場にある総務だからこそ、部門間の利害調整をスムーズに担うことができます。
③ 情報収集と整理
3つ目は、散らばっている社内リソースの可視化です。
事業部門から必要な情報を吸い上げ、業務プロセスのつながりを整理して、重要事業の復旧優先順位を明確にします。総務が情報の「ハブ」になることで、BCPがようやく現実的な計画として回り始めます。
④ 初動対応の中心
4つ目は、緊急時に真っ先に動く「司令塔」としての役割です。
被害状況の把握、安否確認、社内連絡、対策本部の立ち上げを迅速に行います。ここが遅れると、その先の事業継続の段階に入れません。総務が初動を整えることで、次の事業継続の議論に進むための強固な土台ができあがります。
⑤ 訓練の企画と改善
最後の5つ目は、計画をアップデートし続ける役割です。
BCPは「作って終わり」ではなく「回すもの」です。訓練を企画・実施し、見えてきた改善点を整理して、次の計画へ反映します。総務が訓練を回し続けることで、会社全体のBCPが本当の意味で成熟していきます。
次回予告
総務がこの5つのステップを順番に踏んでいくことで、バラバラだった組織の視点が揃い、BCPは確実に動き始めます。
次回は、総務がBCPを進める上で「絶対にやってはいけないNG行動」、そして「総務が強くなると会社が強くなる理由」について整理します。
