熊本地震で自動車生産は止まるのかそれとも、早期再開できるのか - サプライチェーンBCPの浸透を考える
- アールシーソリューション株式会社

- 13 分前
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今回の熊本地震について、私は現地を訪れているわけではありません。一般の報道をもとに状況を把握しているに過ぎません。ただ、今回の地震は「日本のサプライチェーンBCPがどこまで機能したのか」を考える重要な材料を提供してくれています。
半導体は「1週間以内に復旧の目処」。今回、私が最も注目したのは、半導体と自動車の復旧速度の違いです。
TSMCやソニーといった半導体メーカーは、発災から1週間以内に生産再開の目処を立てたと報じられました。半導体は高度な設備産業であり、当然ながら下位のサプライヤーが存在します。それにも関わらず「生産が大きく滞る」という報道はほとんどありません。つまり、今回の地震では半導体サプライチェーンのBCPが相当程度機能した可能性が高いと考えられます。生産の標準化が進んでおり、その構造的な強さが影響している可能性があります。
一方、自動車産業は様子が異なります。トヨタ、日産は当初「生産再開が遅れる」と報じられました。その後、復旧の目処が立ったと続報が出ています。ホンダは生産再開にまだ目処が立っていないと報じられており、主力の二輪も含まれているようです。自動車産業は半導体以上に商流のすそ野が広い産業です。数百から数千もの部品が組み合わさり、その多くが中小企業によって支えられています。今回、一般向けの報道でも、「T3」「T4」という言葉が使われました。これは、サプライチェーンの深い階層までBCPが必要であることが社会的に認知され始めた、企業側もその階層まで対策を進めていた可能性があるという点でとても象徴的です。
今回の地震は、大手企業のBCPだけでなく、サプライチェーン全体のBCPがどこまで成熟していたかを測る試金石になるようです。
特に自動車産業では、
・サプライチェーン下位のどこかが止まれば全体が止まる
・情報共有が遅れれば復旧判断ができない
・代替調達の可否が生産再開の速度を左右する
こうした構造的な弱点があるため、復旧の目処を把握するには、BCPの徹底と情報共有が不可欠です。
今回、それがどこまでできていたのか。
お盆休みと重なり、多くの工場はもともとライン停止の期間に入ります。
面的には、止まっているのが地震の影響なのか、休止期間なのかが見えにくい状況です。
だからこそ、「お盆明けの生産再開状況こそが、BCPの実効性を判断する材料になる」と考えています。
今回の熊本地震は、企業が自社のBCPだけでなく、サプライチェーン全体のBCPをどう構築するかという課題にどこまで向き合っていたかを示す出来事でした。
お盆明けの生産状況を注視しつつ、各企業が今回の経験をどのように次の改善につなげるのか、引き続き見ていきたいと思います。
※本コラムは8月10日8時時点の情報をもとに執筆しています。今後、被害状況や各企業の対応が明らかになるにつれ、内容が必ずしも適切でなくなる可能性があります。必要に応じて、内容を更新または差し替える場合があります。



