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最新の被害想定で見直す 首都直下地震への備え


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2025年12月19日、政府は首都直下地震に関する新たな被害想定を公表しました。

今回の被害想定は、2013年以来、12年ぶりの見直しとなるものです。

 

新たな被害想定では、これまでに進められてきた耐震化などの防災対策の進展や、人口構成・都市構造など、社会情勢の変化を踏まえ、被害の再評価が行われました。

その結果、人的被害や建物被害の想定には一定の改善が見られる部分もありますが、地震の発生条件や被害の広がり方によっては、依然として大きな被害が生じうることも示されています。

 

想定の一例である「都心南部直下地震」では、条件が重なった場合、最大で約1万8,000人の死者が想定されるケース※もあります。また、今回の被害想定では、これまで扱われてこなかった災害関連死についても初めて推計が行われ、状況によっては約1.6万〜4.1万人に及ぶ可能性が示されました。

※都心南部直下地震、冬・夕方、風速8m/s

 

 

さらに、被害は人的・建物被害にとどまらず、停電や通信障害、上下水道などのライフラインの停止に加え、行政や経済、交通機能が集中する東京の特性から、日常生活や社会・経済活動全体に広範な影響が及ぶおそれがあります。

 

こうした被害想定は、不安をあおるためのものではなく、起こりうるリスクを知り、備えにつなげるための材料です。

被害想定を通じて、災害時に自分の身の回りで何が起こり得るのかを想像し、「自分ごと」として受け止めたうえで、平時からの備えにつなげていくことが重要です。

 

次に、報告書で示されている考え方を踏まえ、家庭や個人で取り組める備えのポイントを一部紹介します。

 

①平時からの備え

平時からの備え

地震による揺れや火災から身を守るため、建物の耐震化、家具の固定、感震ブレーカーの設置などの自助対策に取り組みましょう。具体的な対策例を過去の防災だより「住宅の防火と『家具転』対策」にてご紹介しています。




②大規模市街地火災への対応

市街地火災への対応

地震発生後、市街地では火災が同時多発する可能性があります。

初期消火に努めることは大切ですが、危険を感じたら無理せず、周囲の状況を見ながら避難することが命を守る第一歩です。




③発災後の車両利用・一⻫帰宅の自粛

一斉帰宅

道路の損壊や交通集中によって救助活動や消火活動が滞るおそれがあります。

「皆が動けば、皆が動けなくなる」ということを意識しつつ、家族で安否確認の方法や伝え方をあらかじめ話し合っておくと安心です。




④デジタル・SNS時代の災害への備え

デジタル・SNS時代の備え

停電や通信障害に備え、モバイルバッテリーやラジオなどの情報手段を確保しておきましょう。

SNSでのデマ拡散に加担しないよう注意し、キャッシュレス決済が使えない場合に備え一定の現金も用意しておくことが望ましいです。




⑤至急の支援を要しない場合の在宅避難の推奨

在宅避難

避難所の混雑を見越して、至急の支援を必要としない場合は在宅避難を基本としましょう。

在宅避難は、混雑を避けられるだけでなく、プライバシーが確保され、慣れた環境で比較的安心して過ごせるというメリットもあります。

最低3日分、推奨1週間分の水・食料の備蓄を行い、普段使っている食品を循環させる「ローリングストック」の考え方も取り入れると安心です。ローリングストックについては、過去の防災だより「今日から始められる!『ローリングストック』〜災害備蓄のひと工夫〜」で詳しく紹介しています。





今回の被害想定は、首都直下地震が発生した際に、私たちの暮らしや社会がどのような影響を受け得るのかを示すものです。

災害時の状況を想像しながら、この想定を「自分ごと」として受け止め、日頃からの備えや行動につなげていきましょう。

 


出典


内閣府 首都直下地震対策検討ワーキンググループ(2025.12.19)『首都直下地震の被害想定と対策について』(報告書)https://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/taisaku_wg_02/pdf/r7houkoku3.pdf 

 

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