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林野火災を防ぐために


山で煙が上がっている様子の写真

2月26日、大船渡市赤崎町で覚知された林野火災は、11日後の3月9日17時に鎮圧が宣言されました。覚知とは消防機関が火災を認知することで、火災の発生日時や出火原因は調査中です。

一時は最大4600人弱に避難指示が出されていましたが、3月10日10時にはすべての地区で避難指示が解除されました。避難指示は解除されたものの、住家の損壊や断水等の被害は大きく、日常が戻るまでにはまだ時間がかかることと思われます。被害にあわれた地域の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

林野火災を防ぐために、私たちにできることはあるのでしょうか。


2025年に発生した林野火災

2025年に発生したものの中から、消防庁の災害情報一覧に上げられている林野火災はこちらです。

地域

覚知日時

鎮圧日時

鎮火日時

林野被害

山梨県笛吹市

1/18 13:13

1/27 13:40

2/1 12:00

約35ha

岩手県大船渡市(三陸町)

2/19 11:55

2/25 15:05

-

約324ha の範囲内に焼損地点が点在

岩手県陸前高田市

2/25 15:19

2/26 12:00

-

約8ha

岩手県大船渡市(赤崎町)

2/26 13:02

3/9 17:00

-

約2,900ha(3/10 7:00時点)(調査中)

山梨県大月市

2/26 13:47

3/3 14:30

3/6 16:00

約150ha

長野県上田市

2/28 12:14

3/2 11:20

3/3 10:45

約100ha

この2月は特に連続して火災が発生していたことが分かります。

林野火災の約7割は、冬から春(1月~5月)にかけて集中して発生します。これは、冬は森林内に落ち葉が積もって燃えやすい状態になっていることや、風が強いこと、特に太平洋側は乾燥した状態になるといった自然条件が重なること、また、春先は、行楽や山菜採りのために山に入る人が増加するほか、農作業に由来する枯草焼きなどが山林に飛び火することも原因となっています。まだまだ火災が発生しやすい時期が続きます。火の取り扱いには十分に気をつけましょう。


鎮圧と鎮火の違い

上の表の中には「鎮圧」と「鎮火」と2つの日時が記載されています。それぞれの言葉の定義は以下の通りです。


鎮圧火勢が消防隊の制御下に入り、拡大の危険がなくなったと現場の最高指揮者が認定した状態

鎮火その後の点検や処理を経て、再燃の恐れがないと現場の最高指揮者が認定した状態


火災は、まず鎮圧され、その後点検や処理をして、再燃の恐れがないと認定されれば鎮火となります。

鎮火日時が記載されていない火災は、まだ再燃の恐れがないと認定されていない火災です。

鎮圧から鎮火までには時間がかかる場合があります。特に今回のように広範囲に火災が広がった場合、点検や処理の範囲も広くなるため、鎮火までには時間がかかることが推測できます。


林野火災の原因

発生した林野火災のうち原因が明らかなものについてみれば、「たき火」が32.5%で最も多く、次いで「火入れ」、「放火(疑い含む)」、「たばこ」となっています。日本の林野火災は、その多くが人間の不注意などによるものとなっています。一方、落雷など自然現象によるものは稀です。

林野火災の原因別出火件数の割合を円グラフで示した画像
原因別出火件数(平成30年~令和4年の平均)(林野庁ホームページより)

林野火災を防ぐためにできること

林野火災の原因となる行動を使用としている人に注意している人のイラスト

一人ひとりが森林の大切さを認識し、防火意識を高めることが最も大切です。林野火災の原因の多くは、人のちょっとした火の取扱いの不注意で発生しています。以下の点について気をつけて、林野火災が発生しないように注意しましょう。

  • 枯れ草等のある火災が起こりやすい場所では、たき火をしないこと

  • たき火等火気の使用中はその場を離れず、使用後は完全に消火すること

  • 強風時及び乾燥時には、たき火、火入れをしないこと

  • 火入れを行う際、許可を必ず受けること

  • たばこは、指定された場所で喫煙し、吸いがらは必ず消すとともに、投げ捨てないこと

  • 火遊びはしないこと


出典

令和7年災害情報一覧(消防庁)


鎮圧と鎮火(コトバンク)


山火事防止!!(林野庁)

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