本州では梅雨明けの発表こそまだありませんが各地で災害級の暑さが続いており、海のレジャーを楽しむ方も多いかと思います。
そんな時期だからこそ改めて、津波の脅威を知っておきましょう。
今年は関東大震災から100年にあたりますが、日本海中部地震(1983年5月26日)から40年、北海道南西沖地震(1993年7月12日)から30年の節目の年でもあります。
この2つの地震を振り返ってみましょう。
日本海中部地震は秋田県沖を震源として発生したマグニチュード7.7の地震で、秋田県・青森県で最大震度5を観測しました。
国内では104名が犠牲になり、このうち100名が津波による死者でした。
地震発生から15分後に津波警報が発表されましたが、地震発生から8分前後で津波が沿岸に到達した地域もあり、間に合いませんでした。
北海道南西沖地震はマグニチュード7.8の地震で、観測された最大震度は5(推定最大震度は6)、死者・行方不明者は229名にのぼりました。
この人的被害のほとんどを奥尻島が占めており、大きな揺れと津波の両方に見舞われ、島内での津波の最大遡上高は29メートルに達しました。
日本海中部地震を教訓に津波警報は迅速に発表されるようになっており、地震発生後5分で警報は発表されました。
しかし、震源域が近かったこともあり早いところでは地震から2~3分で津波が到達したとされています。
やはり、このときも間に合わなかったのです。
現在はさらに迅速化が図られ、地震発生から3分を目安に津波警報が発表される運用になっています。
これなら安心と考えて良いのでしょうか?
南海トラフ巨大地震の被害想定を見てますと、驚きの数字が目に飛び込んできます。
被害想定のケースにもよりますが、静岡県・和歌山県・高知県では高さ1メートル級の津波が2~3分で到達すると想定されています。
つまり、津波警報が間に合わない可能性も十分にありうるのです。
「海のそばで地震の強いゆれを感じたら、津波警報・注意報が発表されていなくても、すぐに津波避難場所/高台に逃げましょう。」
一方で、揺れを感じなくても遠方の地震が原因の津波に襲われるおそれもあります。
「津波警報・注意報を見聞きしたら、ゆれを感じなくても、すぐに津波避難場所/高台に逃げましょう。」
また、東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)でもそうであったように、津波は繰り返し襲ってくることもあります。
津波警報・注意報が解除されるまで海岸に近づかないようにしましょう。
また、海岸では津波避難経路が掲示されていることもあります。
レジャーを楽しむ前に確認しておくことも大切です。
【参考文献】(いずれも2023年7月19日閲覧・確認)
気象庁「津波から身を守るために」
秋田地方気象台「災害関連資料 昭和58年(1983年)日本海中部地震」
札幌管区気象台「平成5年(1993年)北海道南西沖地震」
内閣府(防災) 南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ「南海トラフ巨大地震の被害想定(第二次報告)」
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