インフルエンザ流行期到来!感染症リスクに対応したBCPを考える
- アールシーソリューション株式会社

- 3 日前
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徐々に気温が下がって木々も色づくなか、インフルエンザの流行が進んできました。
11月13日時点で、宮城県・埼玉県・神奈川県・福島県・岩手県・東京都の6都県でインフルエンザ流行の警報基準を上回る数の患者が報告されています(1)。
こまめな手洗いや、早めのワクチン接種なども検討し、予防につとめましょう。
一方、インフルエンザと比べると話題にあがらなくなったのが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)です。
新型コロナの感染症法上の位置づけが「2類」から「5類」に移行したのは2023年5月8日、すでに2年半が経過しました。「コロナ禍」が過去のものになりつつあるなか、改めて感染症と事業継続について確認しておきましょう。
感染症に対するBCPはなぜ必要か?
前回のコラムで情報セキュリティについてご紹介したときにもお伝えしたとおり、BCPで想定されるリスクは地震を中心とした自然災害が中心で、多くのリスクを網羅的にカバーした「オールハザード型BCP」(オールハザードアプローチ)の考え方はあまり浸透していないのが実情です。
現在(2025年11月時点)の読者のみなさんはご存じのとおり、コロナ禍は社会的・経済的にも多大な影響を与えました。それにもかかわらず、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とはよくいったもので、その記憶は徐々に薄れているという方も多いのではないでしょうか。
感染症リスクに対するBCPがなぜ必要かといえば、自然災害などと態様が違っても事業継続に影響を及ぼすからです。コロナ禍で経験したように、従業員やその家族の感染により就業が困難になるだけでなく、物流や取引先、サプライチェーンの業務が影響を受けた場合、自社の業務にも支障がでてきます。
また、地震等の自然災害と異なり、建物などの被害はほぼない一方で、被害の「終わり」が読みづらいという特徴もあります。
さらに留意しておく必要があるのが、さらに毒性が強い新型インフルエンザ等が発生した場合に、人的な被害は新型コロナの比ではないレベルに達するということです。
コロナ禍という事態を経験したために、それを「最悪」の事態とみなしたくなりますが、新型コロナとは違うタイプのウイルスが出現したときの影響は計り知れないということを忘れないようにしましょう。
ただし、感染症リスクのBCPを策定するうえで、コロナ禍で対応に追われた人の肌感覚も大切になってきます(2)。当時対応した方が社内にいれば、ヒアリングするなどして企業人として感染症に立ち向かった方の「リアル」を聞くことも重要な示唆を与えてくれるでしょう。
おすすめの取り組み方
感染症をはじめ、さまざまなリスクに対応したBCPを策定したいけど、何から手をつければいいのか。
そのような事業者の方におすすめしたいものの一つが、「オールハザード型BCP策定ガイド」です。
「中小企業向けオールハザード型BCP策定ガイド」(東京商工会議所) https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1202192
こちらは、すでにBCPを策定済みであっても、既存のものをブラッシュアップしたいときにも活用できます。感染症に限らず、横断的にリスクを考慮してBCPを策定することで、リスクごとに計画が乱立するのを防ぐだけでなく、影響を受けるリソース(経営資源)の復旧方法を複数のリスクに対して共通して考えることが可能になります。
参考
(1) 5県は国の基準、東京都は独自の基準を超えている。 TBS NEWS DIG (2025.11.14)「【速報】インフルエンザ感染者数 5つの県で警報レベルの基準超える 厚生労働省」 <https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2289241?display=1>
東京都 (2025.11.13)「都内のインフルエンザ、警報基準を超える」 <https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2025/11/2025111337>
(2) 東京都保健医療局 (2025)「感染症BCP作成ガイド:感染症対応力向上プロジェクトBCP作成資料(令和7年10月版)」 <https://www.tokyo-cci.or.jp/kenkokeiei-club/kansensho-pj/bcp.pdf>



