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ミャンマー地震と長周期地震動

更新日:4月15日

このたびのミャンマー地震で被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。そして、亡くなられた方、ご遺族の方に心よりお悔やみ申し上げます。被災された皆さまの安全と、一日も早い復旧・復興をお祈りいたします。



ミャンマー中部でM7.7の地震が発生

2025年3月28日0:50頃(日本時間15:20頃)、ミャンマー中部を震源とするマグニチュード7.7の地震が発生しました。ミャンマー国内では、3649人が死亡、5018人がけが、145人が行方不明と発表されています。(4月11日時点)

また、震源から約1,000km離れたタイ・バンコクでも、高層階の建物が大きく揺れ、被害が発生しました。


震度分布図

ミャンマー地震 震度分布図
ミャンマー地震 震度分布図(USGSより引用)

こちらはUSGSが計算・作成した震度分布図です。右上の凡例にある通りIntensity(震度)に基づいて10段階で色分けされています。この震度は「改正メルカリ震度階級」による区分で、日本で一般的に使われている震度(気象庁震度階級)とは基準が異なります。色に対応する説明は以下の表のとおりです。(震度分布図は計算結果のため、実際のゆれ・被害とは異なる場合があります)震源の近いマンダレーやミャンマーの首都ネピドーでは色が赤く、強い揺れがあったことが推測されます。


揺れ

説明/被害

I

感じない

特に好条件下では、ごく少数の人以外は感じない。

II

弱い

安静時、特にビルの高層階で、ごく少数の人のみが感じる。

III

弱い

屋内にいる人、特に建物の上層階で顕著に感じる。多くの人は地震と認識しない。立っている自動車がわずかに揺れることがある。トラック通過時のような振動。継続時間は推定。

IV

軽い

日中、屋内では多くの人が感じたが、屋外ではほとんど感じなかった。夜、何人かが目を覚ました。食器、窓、ドアが乱れ、壁がひび割れるような音を立てる。重いトラックが建物にぶつかるような感覚。立っている自動車が著しく揺れる。

V

中程度

多くの人が目を覚ました。食器や窓が割れる。不安定な物がひっくり返る。振り子時計が止まる。

VI

強い

多くの人が怯える。いくつかの重い家具が動かされる。被害は軽微。

VII

非常に強い

良い設計と構造の建物では被害はごくわずか。良く造られた一般的な建物では軽微から中程度。粗末な造りや悪い設計の建物ではかなりの被害。煙突が壊れた例もある。

VIII

激しい

特別に設計された建造物では被害は軽微。部分的な倒壊を伴う通常の実質的な建造物ではかなりの被害。建て付けの悪い構造物では被害が大きい。煙突、工場の煙突、柱、記念碑、壁の倒壊。重い家具の転倒。

IX

激しい

特別に設計された構造物ではかなりの被害。よく設計された骨組みの構造物は傾いた。大規模な建物では被害が大きく、部分的な倒壊を伴う。建物は基礎からずれた。

X

極端

一部の立派な木造建築物は破壊された。ほとんどの石造建築物や骨組みの建築物は土台ごと破壊された。レールが曲がった。


タイで被害が起きた理由

遠く離れたタイ・バンコクで特に高層階の建物が大きく揺れるという事象が起こりました。これは「長周期地震動」によるものと推測されています。


低層階より高層階が大きく揺れている建物

長周期地震動とは、大きな地震で生じる、周期(揺れが1往復するのにかかる時間)が長い大きな揺れのことです。震源が浅くて大きな地震ほど発生しやすく、遠く(震源から数百km)まで伝わりやすい性質があります。

日本でも、昨年の能登半島地震で首都圏や大阪といった高層ビルが多い地域で長周期地震動が観測されています。


震源が遠く離れていて地上では激しい揺れが無くても、建物の高層階では大きな被害が出る可能性があります。

特に高層階にお住まいの方、お勤めの方は家具の固定や備蓄など気を付けて備えていただければと思います。


出典

M 7.7 - 2025 Mandalay, Burma (Myanmar) Earthquake(USGS)


ミャンマー大地震 発生2週間 50万人超が必要な医療受けられず(NHK)2025年4月11日 7時11分



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